
- いつも自分を責めてしまう
- 人間関係がうまくいかず孤立する
- 自分の子どもに毒親と同じ接し方をしてしまいつらくなる
幼少期の家庭環境の影響でアダルトチルドレンの症状を抱えてしまい、生きづらいと感じていませんか?この記事ではアダルトチルドレンの症状や原因、克服法を詳しく解説します。記事を読めば「日常で感じている生きづらさの原因」が理解できます。
アダルトチルドレンの症状は自己否定や対人不安などです。専門家に相談したり、セルフケアをしたりして心をケアすれば、アダルトチルドレンを克服できます。子どもにつらく当たってしまう方は一度ゆっくりと休むことも良い方法です。自分を癒し新たな人生を歩み始めるために、記事の内容をお役立てください。
アダルトチルドレンの症状

アダルトチルドレンの症状は以下のとおりです。
- 自己肯定感が低く自分を責める
- 人間関係のトラブルを繰り返し孤立する
- 他者依存と見捨てられ不安が強い
- 怒りや不安をコントロールできない
- 完璧主義と自己犠牲で自分を責める
自己肯定感が低く自分を責める
自己肯定感が低く自分を責めることはアダルトチルドレンの症状の一つです。「自己肯定感が低い」とは自分を心から信じられない状態です。
幼少期に親から肯定的な言葉をかけられなかったり、ありのままを受け入れてもらえなかったりした経験は、子どもの心に残ります。毒親から肯定的な言葉をかけられなかった子どもは「自分は価値のない人間だ」と思い込み、自己肯定感が低くなります。
自己肯定感の低さは罪悪感や自己否定感、劣等感を引き起こし、自分を責める一因です。
人間関係のトラブルを繰り返し孤立する

アダルトチルドレンは人間関係のトラブルが原因で孤立してしまう場合があります。アダルトチルドレンは幼少期に健全な親子関係を築けなかったため、人と適切な距離感を保つことが苦手です。
アダルトチルドレンにとって本音を伝えることは簡単なことではありません。アダルトチルドレンは無意識のうちに毒親との関係を友人や恋人との間で再現し、同じ失敗を繰り返す傾向があります。
アダルトチルドレンが起こしやすい人間関係のトラブルは、以下のとおりです。
- 顔色をうかがい我慢する
- 突然関係を断ち切る
- 孤立または依存する
- 親密な関係を避ける
他者依存と見捨てられ不安が強い
アダルトチルドレンは自分の意見や行動に自信がなく、常に誰かの存在を求めないと安心できません。不安が強い理由は、幼少期に毒親から愛情を受けられなかったためです。アダルトチルドレンが強い不安に陥ると、以下の状態になります。
- 行動に自信が持てず誰かの許可を求める
- 本音を隠して他人の顔色をうかがう
- 一人でいることが不安で誰かに依存する
- 連絡が少し途絶えるだけで強い不安に襲われる
怒りや不安をコントロールできない

アダルトチルドレンの症状として、怒りや不安などの感情をコントロールできないことが挙げられます。アダルトチルドレンは毒親の顔色をうかがい気持ちを押し殺すしかなかったため、感情のコントロールが苦手です。
感情のコントロールが困難になると激しい怒りや自己嫌悪、不安な状態に陥ります。幼少期のつらい経験によって現在も苦しんでいるアダルトチルドレンは多くいます。
完璧主義と自己犠牲で自分を責める
アダルトチルドレンは「完璧でなければ自分に価値はない」という完璧主義に縛られ、自分を責めてしまいます。自分を責めてしまう理由は、毒親の期待に応えなければならないプレッシャーの中で育ったためです。アダルトチルドレンはありのままの自分では、毒親や周囲の人から愛されないと思い込んでいます。
アダルトチルドレンは完璧主義と自己犠牲心が強いため、心も体も疲れやすい傾向があります。アダルトチルドレンはある日突然何もできなくなる「燃え尽き症候群」に陥りやすいため、注意が必要です。
アダルトチルドレンの原因となる家庭環境

アダルトチルドレンの原因となる家庭環境には以下が挙げられます。
- 毒親育ち・機能不全な家族環境
- 毒親の過干渉・無関心・暴言暴力による心の傷
- 愛情不足や否定される家庭環境
- 毒親のアルコール依存症や精神疾患
- 家庭内での「いい子」や毒親の世話役の強制
- 社会的孤立と自己否定感が強い家庭環境
毒親育ち・機能不全な家族環境
アダルトチルドレンになる原因は、毒親や機能不全な家族環境で育った経験が関わっています。子どもにとって本来安心できるはずの家庭が、心をすり減らす場所になることはアダルトチルドレンが生まれる一因です。
幼少期に親から十分な愛情を得られないと、自分を大切にする気持ちや他人を信じる感覚が育ちません。いつも毒親の顔色をうかがい自分の感情を抑え込むと、大人になってからも自分の気持ちにふたをしてしまいます。
幼少期に以下の経験があると、アダルトチルドレンの症状が起こりやすくなります。
- 毒親の顔色を常にうかがう
- 自分の気持ちや意見を否定・無視される
- 「いい子」でいることを強いられる
- 家庭に安心感がなく常に緊張する
- 毒親の世話を引き受ける
- 過干渉や放置で自立心が育たなくなる
- 家庭の問題を他人に話せず孤立する
» 感情の認識が大切!毒親の特徴と毒親にならないためのポイント
毒親の過干渉・無関心・暴言暴力による心の傷

毒親からの過干渉や無関心、暴言暴力は子どもの心に深い傷を残す原因です。子どもは親との関わりを通じて自分という存在や世間との関わり方を学びます。健全でない親子関係は子どもの心の成長に悪影響を及ぼします。毒親との関わり方が子どもに与える心の悪影響について、以下の表でまとめました。
毒親との関わり方 | 子どもへの影響 |
過干渉や価値観の押し付け | 自分で物事を決断できず他人の顔色をうかがう |
無関心 | 愛されていないと感じ自信を失う |
暴言や否定 | 心ない言葉で傷つき自己否定する |
暴力 | 恐怖を抱え人を信じにくくなる |
» 知らず知らず毒親に?過干渉の特徴と心理、子どもへの影響
» 目に見えるものだけじゃない!親が暴力を振るう原因と対処法
愛情不足や否定される家庭環境
毒親からの愛情不足や否定される家庭環境で育った子どもは、アダルトチルドレンの症状が出やすい傾向にあります。子どもはありのままの自分を否定されると、自分には価値がないと感じてしまうからです。
子どもの「自分を信じる力」を育てるのは親の愛です。愛情不足の家庭環境で育った子どもは大人になっても自分を肯定できません。
» 愛情不足で育った大人の特徴とは?愛情の穴の埋め方も解説
毒親のアルコール依存症や精神疾患

毒親のアルコール依存症や精神疾患は子どもがアダルトチルドレンとなる一因です。毒親がアルコール依存症や精神疾患だと家庭は安心できる場所ではなくなり、子どもの心の成長に悪影響を与えます。
アルコール依存症や精神疾患を抱えている毒親は自分のことで手一杯になり、子どもに愛情を注げなくなります。毒親が精神的に不安定で言動や機嫌が予測できない家庭は、常に不安定です。毒親がアルコール依存症や精神疾患である子どもは、以下のつらい状況に置かれます。
- 感情を表に出せず抑え込む
- 親が担うべき役割を子どもが担う
- 過剰な罪悪感を抱える
- 誰にも助けを求められず孤立する
- 自分の欲求を押し殺す
家庭内での「いい子」や毒親の世話役の強制
子どもが「いい子」でいることや毒親の世話役を強制されることは、アダルトチルドレンの原因の一つです。子どもの心に負担がかかる理由は、本来甘えられる時期に毒親の世話など重すぎる役割を背負わされるためです。
「いい子」を強制された子どもは自分の気持ちを後回しにし、毒親の機嫌をうかがいながら行動します。毒親の子どもは毒親のカウンセラー役を担ったり、家事をこなしたりするなど「小さな親」の役割をすることもあります。
「いい子」でいることや毒親の世話役を強制されると、子どもは誰かの役に立つことでしか自分の存在価値を見いだせません。「いい子」を強制された子どもは常に我慢することが当たり前になります。
社会的孤立と自己否定感が強い家庭環境
社会的に孤立し自己否定感が強まる家庭環境はアダルトチルドレンになる一因です。家庭が世界のすべてだった子どもは、健全な人間関係を学べず自分には価値がないと思い込んでしまいます。子どもが社会的孤立と自己否定感を感じるのは以下のような状況です。
- 家庭内の問題を家の恥とされて口外できない
- 友人との関わりを制限される
- 人格を否定するような言葉を浴びせられる
- 兄弟や他人と比べられる
- 自己表現を抑え続ける
社会的孤立や自己否定感を抱えた子どもは「誰にも理解されない」「何をしても無駄だ」と感じ、自己肯定感が低下します。
アダルトチルドレンが抱えやすい精神疾患の症状

アダルトチルドレンはうつ病や不安障害を抱えたり、共依存(※1)や愛着の問題を抱えたりする場合があります。うつ病や不安障害などの精神疾患、共依存・愛着について詳しく紹介します。
うつ病・不安障害・PTSD
毒親の元で育ったつらい経験はうつ病や不安障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)といった精神疾患の一因です。幼少期に安心できない環境で過ごしたつらい経験が、大人になってからの心身の不調につながります。
毒親から継続的に否定された経験も、うつ病などの精神疾患を発症する原因です。うつ病や不安障害などの精神疾患を抱えると、フラッシュバックや対人恐怖などの症状に悩まされる場合があります。精神疾患が原因で、日常生活に支障をきたすケースは多くあります。
共依存・愛着の問題
アダルトチルドレンが共依存や愛着の問題を抱えてしまう原因は、幼少期に親との安定した心のつながりを築けなかったためです。幼少期に毒親からの愛情が足りなかったり無視されたりした経験は、見捨てられ不安(※2)を生み出します。
見捨てられ不安がある方は自分を犠牲にしてでも相手を世話するなどして、他者と不健全な関係を築くことがあります。
※1 共依存とは誰かを助けたり支えたりしないと不安になる状態です。
※2 見捨てられ不安とは、自分が大切な人から見放されるのではないかと強く不安になる心理状態を指します。
アダルトチルドレンの確認方法

自分にアダルトチルドレンの症状があるか確認する方法は、以下のとおりです。
- 専門家のアセスメントを受ける
- セルフチェックリストを活用する
専門家のアセスメントを受ける
専門家のアセスメント(※3)を受けることで、自分がアダルトチルドレンか確認できます。専門家のアセスメントを受けると自分の問題を理解でき、アダルトチルドレンの症状の改善策が見つけやすくなります。
相談できる場所は精神科や心療内科、民間のカウンセリングルームです。医師などの専門家が問診や心理検査、生育歴のヒアリングを行い自分の状態をアセスメントしてくれます。
※3 アセスメントとは相手の状態や状況について評価を行うことです。
セルフチェックリストを活用する
自分がアダルトチルドレンかを確かめるには、セルフチェックリストの活用が有効です。セルフチェックリストを活用すると、自分の生きづらさや悩みの原因を見つめ直せます。アダルトチルドレンは以下の点で悩む傾向があります。
- 他人の評価や顔色が気になる
- 白黒で物事を考える
- 失敗を恐れ完璧を求める
- 見捨てられ不安を感じる
- 本音を表現することを避ける
- 理由のない不安や孤独を感じる
- 楽しいはずの場所でもなぜか心が満たされなくなる
- 問題をすぐ自分のせいにする
- 頼みを断れず自分を犠牲にする
- 人との距離感を極端に近づけたり遠ざけたりする
- 常に緊張してリラックスできなくなる
- 人の世話をすることでしか自分の価値を感じられなくなる
自分がアダルトチルドレンか確認する方法として、上記のセルフチェックリストをぜひ活用してください。
アダルトチルドレンの症状を克服する方法

アダルトチルドレンの症状は克服可能です。アダルトチルドレンの症状を克服する方法は以下のとおりです。
- 認知行動療法やカウンセリングを受ける
- 自助グループやサポートグループを活用する
- セルフケアやマインドフルネスを実践する
認知行動療法やカウンセリングを受ける
認知行動療法やカウンセリングはアダルトチルドレンを克服する方法の一つです。毒親に植え付けられた「自分がダメだ」という偏った考え方は、認知行動療法などを通じて克服できます。認知行動療法は苦痛をもたらす思考を、自分を大切にする思考へと変える手助けをします。認知行動療法の進め方は以下のとおりです。
- 過去の出来事を客観的に振り返る
- 傷ついた心(インナーチャイルド)を癒やす
- 人との間にちょうど良い距離感を保つ
- 感情とうまく付き合う力を育てる
- 再び傷つかないために、苦しみをシミュレーションしておく
認知行動療法を受けることで過去の苦しみから解放され、自分らしい人生を歩み始められます。
自助グループやサポートグループを活用する

自助グループやサポートグループへの参加は、アダルトチルドレンの症状の克服につながります。自助グループやサポートグループは、アダルトチルドレンが抱えるつらい気持ちを受け止めてもらえる場所です。参加者の話からアダルトチルドレンの症状の回復につながるヒントが見つかる場合も多く、前向きな気持ちになれます。
自助グループやサポートグループは「言いっぱなし・聞きっぱなし」が基本ルールです。無理に悩みを話す必要はなく、仲間の話をただ聞いているだけでも心が軽くなります。ACA(アダルト・チルドレン・アノニマス)のように、匿名で参加できるグループも全国各地やオンラインにあります。
» ACA(アダルト・チルドレン・アノニマス)(外部サイト)
セルフケアやマインドフルネスを実践する
セルフケアやマインドフルネスにより、日々のストレスの緩和とアダルトチルドレンの症状の克服が可能です。アダルトチルドレンの症状を克服したい方は、以下の方法でセルフケアやマインドフルネスを実践してみましょう。
- ノートに感情や考えをそのまま書き出す
- 不安や怒りを感じたら、呼吸に意識を向ける
- 失敗した自分に「よく頑張った」と声をかける
- 散歩やストレッチで体をほぐす
- 好きな音楽や入浴で安心できる時間を作る
- 食事や入浴で五感に意識を向けて「今」を感じる
- 無理なお願いを断る練習をする
アダルトチルドレンの症状から解放されよう

アダルトチルドレンの症状には自己否定や対人恐怖などが挙げられます。アダルトチルドレンの主な原因は幼少期の劣悪な家庭環境です。アダルトチルドレンの症状の改善方法は以下のとおりです。
- 認知行動療法やカウンセリングを受ける
- 自助グループやサポートグループに参加する
- セルフケアやマインドフルネスを実践する
アダルトチルドレンの症状がある方は自分の感情をありのまま認め、自分を責めることをやめるところからはじめてみてください。アダルトチルドレンの症状から解放され、自分らしい人生を歩むことは可能です。